ある日のこと。
「先生、この虫なにか分かりますか？新種じゃないかと思うんですが」
小学4年生のウミくん（仮名）が、タブレットを抱えたまま塾に駆け込んできました。
「えっ、新種！？見せて見せて！」
タブレットに写った虫を見た私は、すぐにこう思いました。
（カメムシ…だよね？）
しかし、こま塾は「なるべく教えない」「教え合いを促す」をモットーにしています。
気を取り直して、
「そうだ、次の時間にマルちゃん（仮名）来るから聞いてみたら？」
と伝えると、そうだそうしようとウミくんも落ち着いて勉強に取り掛かりました。
次の時間。マルちゃんがやってきました。
マルちゃんは高校1年生、鳥類学者を目指しています。
「マルちゃん、この虫なにか分かりますか？新種だと思うんですが」
「うん、これはカメムシの一種だね」
言っちゃった！いや、言っちゃうよね。
しかし、ここから予想していなかった展開に。
「カメムシなのは分かるんですが、この模様のカメムシは調べても出てこなくて。新種じゃないかと思って」
なるほど、そういうことだったのね！
それから、図書室にある昆虫図鑑を開き、あれでもないこれでもないと議論する2人。
つい私が「このオレンジのじゃない？色似てない？」と言うと、
「形が違います！！」
息ぴったりの2人に叱られてしまいました。ｽﾐﾏｾﾝﾃﾞｼﾀ…
新種だといいね！
