マイナスの概念②無の0、基準の0

今回から、中学数学の最初に学ぶ「マイナスの概念」について考えていきます。

前回、同じ引き算にも2つの意味があるというお話をしました。

①減少:みかんが5個ありました。3個食べました。残りはいくつでしょう。
②差: 太郎君のお姉ちゃんは5歳、太郎君は3歳です。2人の年の差は何歳でしょう。

さて、数学では0よりも小さい数字(負の数)が出てきます。
例えば「3-5=-2」という計算ができるようになります。
これはどのように考えたらいいのでしょうか?

上の「①減少」の考え方を使って考えてみましょう。

「みかんが3個ありました。5個食べました。残りは、、」

・・・・・ちょっと、厳しいですね。
みかんのような「存在」を想定すると、「全部なくなった」という「0個」までしか考えられません。
(ちなみに「0」という考え方も歴史的には結構新しい発見です。理解しづらくて当然)

そこで、「基準」としての数を考えてみましょう。
例えば、温度。
「0度」というのは「温度がない」という意味ではなく、単なる基準。プラスからマイナスへの通過点に過ぎません。

「昨夜の気温は+3度でした。今朝、そこから5度下がりました。今朝の気温は何度でしょう」

「+3-5=-2(度)」
となりますね。

「+」を上がる、「ー」を下がると考えると、その後の気温変化を記録して、
「+3-5+4-1」
といった計算もできます。「0」を挟んで自由に上下できるようになりました。

+は上がる、-は下がる!

図をよく見ると気づくかもしれませんが、この上下運動、順番を入れ替えても結果は変わりません。
「+3+4-5-1」
という風に順番を入れ替え、プラスとマイナスをまとめた方が、少し計算しやすいですね。

プラス・マイナスの符号は数字とくっついているので、別れないように注意!

いかがでしたでしょうか?
算数から数学になって、数の世界が広がったことを感じて頂けたでしょうか。

次回は、プラスとマイナスの足し算・引き算のラスボス的存在、
「2-(-3)」
について考えていきたいと思います。

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