かけ算と九九の正体

突然ですが、もし子供から「かけ算ってなに?」と聞かれたら何と答えますか?
答えるのはなかなか難しいけれど、計算はできる。
そう、私達はかけ算とは何かを全く意識せずに使えるほど、教育されてきたのです。
このコラムでは、かけ算の本質や、より良いかけ算教育について考えていきたいと思います。

いきなり結論を言ってしまうと、かけ算とは、足し算です。
「えっ」という感じでしょうか。

「2×4」を例に考えてみましょう。
「2が4つある」と捉えると、「2+2+2+2」とも書けますし、答えも同じですね。

同様に、例えば「5×7」は「5+5+5+5+5+5+5」であり、
「24×365」は「24+24+・・・(365回繰り返し)」です。

つまり、繰り返し同じものを足す場合、面倒だから「×」という記号を使って簡単に書こう!というのがかけ算なのです。
(余談ですが、高校数学では似たような簡略化のための記号で「!」が出てきます。初めて見たときはビックリしました笑)

次に、私達はかけ算をどう計算しているのでしょうか?
今度も「2×4」を例に考えましょう。

原理的には、やはり「2+2+2+2」です。
「えっ、いちいちそんな足し算してないよ!」という方は、どうしているのでしょうか?

そうです、「暗記」です。小さい頃、「にしがはち」と暗唱させられたのではないでしょうか。
「一生使うから、一桁どうしの掛け算を暗記しよう!」というのが、九九の正体なのです。

実際に、小学校の教科書では九九を一段ずつ取り上げ、まず「足して計算しましょう」とあります。
その次に「覚えましょう」と書いてあるのです。

一桁どうしのかけ算を覚えてしまうと、あとはいくら大きな数になっても、ひっ算を使えば計算できてしまいます。
そんな優れものの九九。しかし、こま塾は九九より十十をオススメしています。
次回は、その理由と、暗記以外の教育アイディアについてお話したいと思います。

九九(十十)を手書きすると、かけ算が足し算であることがよく分かります
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